■シロアリに関する一考 [3]

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シロアリの習性
シロアリの習性

富山県に住む「ヤマトシロアリ」は、女王アリが自分で移動できることから固定した巣を持たず、女王を中心に移動しながら生息しているようです。
その巣は、たいていの場合土中にあり、家屋が食害に合っていればその家屋の床下木部と巣とを常に往復して生活しています。つまり、エサ場が家屋の床下木部と云うことになります。

また、「ヤマトシロアリ」は、どこの土中にでもたいてい存在し、木杭などを直にさしておくと2週間ほどで食害にあっているようです。
しかし、前回前述したように、「ヤマトシロアリ」の加害速度は遅く、そんなに心配することはないようです。ただ云えるのは、地盤面から上部2m以内の木部に薬剤処理をするよりは、基礎下の土壌に薬剤処理をした方がより効果的な白アリ対策が講じれると思われます。

「ヤマトシロアリ」は、光と乾燥を極端に嫌うため、「蟻道」と云うトンネルを土や自らのフンで作ります。この「蟻道」を基礎側面に見つけることでその存在が発見されるわけです。
光や乾燥を嫌うことから、その「蟻道」も床下側の基礎表面に作られることが多く、基礎表面には出てきません。ただし、基礎の外断熱など土中に直接断熱材が設置されている場合は、要注意と云えます。その断熱材自体を食料とするわけではありませんが、蟻道を作るには好都合で、外部からは発見されにくく、断熱材なので適温が保たれるというわけです。
最近は、白アリ対策が施された外部基礎断熱もあるようです。

また、蟻道によって、「ヤマトシロアリ」の快適通路を作るわけですから、床下が乾燥しているかどうかは白アリにとっては関係ありません。通気工法や炭などによる調湿乾燥資材で白アリが来ないというのは誤りだとわかります。乾燥によって木部の腐朽防止には効果があると思われますが・・・。
ただし、雨漏りや漏水によって常にしめった状態になっている木部や家屋内は、そこが巣になる危険があり、そこを起点に食害される可能性があり、注意が必要です。
従って、昔の湿式浴室などは、そのタイル下の湿った土壌と土台木部が近接していることから食害を受けやすかったと思われます。
最近は浴室のユニット化により昔よりは改善されたと思います。現在ではむしろ玄関土間など床下に空間構成がなく、砕石などで充填されている玄関タイル下と家屋の土台木部が近接している箇所に注意が必要と考えます。
土台に桧やヒバなどを用いれば食害に会わないと思われますが、白アリの樹種による好みはあるようですが、そこに桧しかなければ、十分食害に会うようですし、それ以外の杉などの材が使われている部分があれば、桧を通り越してそちらが食害されるようです。

ペコリ(o_ _)o))